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【静岡市アクセラレーションプログラム2023採択企業インタビュー | ジオ・マーク株式会社】デジタルマップから広がる新たな体験の可能性とは

静岡市が主催するアクセラレーションプログラム「静岡市アクセラレーションプログラム」のデモデイが2月22日(木)に開催されました。

静岡市アクセラレーションプログラムは、成長意欲の高い事業者や起業家、外部パートナーとの競争活動によりさらなる事業拡大を目指す事業者へ集中的に支援を行い、静岡市経済の持続的な発展と新たな産業や雇用の創出を目的としています。サポート企業としてEXPACTも運営に携わっており、デモデイのアントレプレナーシップセミナーには、代表の髙地も登壇いたしました。

本記事では、採択企業であるジオ・マーク株式会社の代表である岡崎峻二郎さんに、起業の背景や事業内容、これからの展望についてインタビューを行いました。
ぜひ、最後までご一読ください。

静岡市アクセラレーションプログラムに関する詳しい記事はこちら↓
https://expact.jp/shizuoka_acceleration/

デモデイの様子はこちら↓
https://youtu.be/GAHZU0HV_b0

ー本日はよろしくお願いいたします。まずはじめに岡崎さんの経歴、キャリアについて教えてください。

私は小中高と静岡県の伊豆国市でずっと過ごしました。
幼少期の頃はバブルの影響で周囲が観光客で溢れていましたが、私が高校を卒業する頃には空白の20年に入り、マス・ツーリズムが衰退して、どんどん旅館が潰れていくという観光地の大盛り上がりと大衰退も目の当たりにしてきました。

その後は絵が好きだったこともあり、日本大学芸術学部に入学。
卒業後は、凸版印刷株式会社に入社。約15年間に渡り広告やカタログのデザインを担当し、TOKYO2020関連プロジェクトのクリエイティブディレクターに抜擢されるなど、自動車関連のイベント企画などでプロモーション業務にも携わりました。

ー地図というコンテンツに着目して起業した経緯についてもお聞かせください。

元々車やモビリティに関心があったのと、観光地の近くで育ったこともあり、観光と地図は自分の中では身近な存在でした。

そして私自身、在職中地元の伊豆へ旅行をした際に、ありきたりな観光スポットしか知らなかったことに気付き、生まれ育った地元の魅力ですら十分に発信や認知がされていないことが課題だと感じました。

この現状こそが私の起業の原動力となりました。地図をより面白くすることで、移動も観光ももっと楽しくなる。地図と観光を組み合わせることで、身近な体験をもっと魅力的に発信したいという強い思いへと繋がり、起業を決断しました。

ー観光地で育った岡崎さんならではの発想ですね。サービスの内容について教えて下さい。

現在、声優さんやユーチューバーを起用し、デジタルアートやデジタルコンテンツと地図を融合させ、聖地を巡るという従来の地図アプリでは味わえない新たな体験を提供しています。

例えば、エリアの周遊を活性化するプロモーションとして、文京区に115箇所以上存在している、「名前のついている坂」をめぐる周遊イベントを実施しました。このプロジェクトのために新たに制作したデジタルイラストマップで、坂の場所や名前、それぞれの坂が持っている物語をスマホ、PCから見ることができます。スマホのGPS機能を利用し、現在位置を確認しながら移動できるため、地図を見ながら坂めぐりを楽しむことができます。加えて、実際に訪れた坂はチェックイン機能で訪問履歴を残すこともできます。

他にも、「バス情報が分かりにくい」という課題を解消するサービス「スーパー路線図」の実証実験も都営バス協力のもとスタートしています。
スーパー路線図は、イラストマップとバス情報を融合したもので、国土交通省が標準化を進めるオープンデータ「GTFS-JP」を活用することで、バス停の位置、バス路線図、時刻表情報を視覚的に分かりやすく表示しています。
バス情報を地図上で分かりやすく表示し、バスの利便性を向上させることで、移動体験をより快適にしたいと考えています。

また、GALA湯沢スキー場のゲレンデマップ、京阪神の桜の名所滋賀県草津市の「桜の見どころ」などもデジタルマップ化させていただいております。GALA湯沢スキー場のゲレンデマップに関しては、利用者数も5,000人を超えるなど高い評価を頂いています。

インバウンドにも対応している為、海外からの観光客も安心して利用でき、言語の壁を越えてより多くの人に地域の魅力を伝えることができます。

ー推し活からバスのような生活に関わる情報まで、多岐にわたってデジタルマップには様々な可能性があると感じました!今後の展望についても教えて下さい。

今後は旅レシピを中心としたポータルサイトを作り、全国の個性的な地図情報を集約し、クエスト体験が可能なNFTを活用したサービスを提供していく予定です。クエスト作成ツールとデジタルマップを活用することで、オープンワールドゲームのようなクエスト体験をリアルワールドで提供することを目指しています。

他にも、地元のスポットをリスト化し、チェックイン履歴やイベント結果を数値で分析することで、エリアの行動分析を実現する新しい手法を導入予定です。
これにより、既存のビッグデータでは把握できなかった具体的な移動データを取得し、今後はマーケティングデータとして活用していく方針です。

ー地図×マーケティング、聖地巡礼×デジタルマップの相性もすごくいいなと感じます。すでに各地でイベントなども行われているということで、実際の反響はいかがでしたか?

仰る通り、聖地巡礼×デジタルマップのイベントは、大きな可能性があると感じています。アンケート結果からも、第2弾のイベントにも参加したいという多くの反響が寄せられていております。
イベント参加者の声
「声優さんの解説を聞きながら巡礼できて楽しかった。」
「普段通らない道を通ったら、新しい発見があった。」
「地元の歴史について知ることができて、興味を持った。」
今後も、より多くの人に楽しんでもらえるよう企画・発信していきます。

ー反響はかなり大きかったのですね!地域への経済効果も期待できますね!
ここからは今回のアクセラプログラムについてご質問させていただきます。まず、参加された経緯についても教えて下さい。

東京都のスタートアップコミュニティに参加した際に、出会った静岡市の方からアクセラプログラムの概要をお聞きし、良い機会と思い応募しました。

ープログラムの参加前後でのなにか変化があれば、教えていただけますか?

正直、静岡県東部に住んでいることもあり、静岡市にはあまり馴染みがありませんでした。しかし、静岡市を知る良いきっかけになりましたし、このアクセラプログラムを通じて静岡市の魅力やスタートアップコミュニティに触れられたことで、新たな体験やモチベーションを得られたと感じています。

ー沢山の気付きがあったのですね!実際にプログラムに参加されてみた感想をお聞かせください。

自分から誰と会いたいか何をしてほしいかを明確に発信することが重要だと感じました。
静岡の県民性ですかね?自らの要望をしっかり伝えると、親身になって協力していただけるので、こんなことをしてほしい、こんな人とつながりたいなど、発信を積極的に行う姿勢が重要だと改めて実感しました。

ー今静岡市をはじめとして、県や国全体でもスタートアップを支援する動きが活性化しているタイミングだと思いますが、事業者としてどのように捉えていますか?

やはりシード期のスタートアップでは、遠方や知らない地域への展開が難しいので、地元にフォーカスして、地元のリソースやコネクションを最大限に活用するべきだと考えている企業も多いと思います。

ですので今後、地方のスタートアップ支援が活発化することで、実証実験の機会が増え、受託案件や資金面でのサポートも期待できるようになると思いますし、新たな挑戦の機会も増えるのではないかと考えています。

地域間の連携と活性化が、多様な挑戦の機会を生み出すきっかけだと思いますので、全国的にアクセラレーションの広がりが増えるのはとても良いことだと思いますし、期待しています。

ー静岡市や、アクセラプログラムを通じて何か予定していることはあるのでしょうか?

静岡市では、今後もスタートアップ企業との繋がりやオープンイノベーションを促進する取り組みを加速させると聞いています。ひとえに市内と言ってもエリアごとに異なる課題や、人手不足と相まってコロナによる影響が収束したことによる急激な社会変化に対応しきれていないなど、多くの課題があると伺っています。

今回育まれた人脈はこう言った課題解決のためにも生かしていきたいと考えていますし、実際に多方面で具体的な検討も進めています。

ープログラムが終わってもそこで途切れることなく、引き続き人との繋がりがあり、事業にも可能性が広がっていきそうですね!では最後に、今後静岡市アクセラレーションプログラムへの参加を検討される方に一言お願いします。

本当に良いご縁を頂けたことに感謝していますし、お互いに課題解決をしたいという意思のもと繋がれたので、不特定多数の方に自分たちのプロダクトを売り込みに行くよりも、はるかに深い縁があるというのがアクセラプログラムのいいところだと思います。

気になった方は是非参加を検討されてみてください!

ーローカルでありながら視覚的に分かりやすい地図と、それをさらに後押しするデジタル化の組み合わせは、多くの人にとってより便利で革新的なソリューションになると感じましたし、デジタルマップを活用した聖地巡礼には、是非参加してみたいと思いました。今回のインタビューはここまでとなります。ありがとうございました。

いかがでしたでしょうか?観光地で育った経験を生かし、独自のアプローチで地図メディア事業を立ち上げられたり、コロナ禍においてデジタル技術との新しい付き合い方を模索し、逆境をチャンスに変え行動された岡崎さんの姿勢がとても印象的でした。
これからも地図やデジタル技術を活かした新たな体験提供に期待したいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

[会社概要]
【会社名】ジオ・マーク株式会社
【URL】https://geomark.co.jp
【設立年月】2019年2月
【代表者】岡崎峻二郎
【所在地】 〒112-0013
        東京都文京区音羽1-26-13-301


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