【静岡市アクセラレーションプログラム2023採択企業インタビュー | 株式会社JCL】静岡市から自転車文化を創造する
静岡市が主催するアクセラレーションプログラム「静岡市アクセラレーションプログラム」のデモデイが2月22日(木)に開催されました。
静岡市アクセラレーションプログラムは、成長意欲の高い事業者や起業家、外部パートナーとの協創活動によりさらなる事業拡大を目指す事業者へ集中的に支援を行い、、静岡市経済の持続的な発展と新たな産業や雇用の創出を目的としています。サポート企業としてEXPACTも運営に携わっており、デモデイのアントレプレナーシップセミナーには、代表の髙地も登壇いたしました。
本記事では、採択企業である株式会社JCLの深井 雷馬さんに、事業内容や今後の展開についてインタビューを行いました。
ぜひ、最後までご一読ください。
静岡市アクセラレーションプログラムに関する詳しい記事はこちら↓
https://expact.jp/shizuoka_acceleration/
デモデイの様子はこちら↓
https://youtu.be/GAHZU0HV_b
ー本日はよろしくお願いいたします。まず、簡単な自己紹介をお願いいたします。
株式会社JCL(旧社名 ジャパンサイクルリーグ)にて、バーチャルサイクリング体験アプリ「 VRoad」の事業責任者をしております、深井と申します。
実は、私は今回の静岡市アクセラレーションプログラムがきっかけでJCLに入社しまして。(笑)
現在は、静岡発の地域密着型リーグを立ち上げ、県全体を巻き込んだ新しい自転車文化を生み出すことを目的に、アクセラをきっかけに繋がらせていただいたご縁を頼りにいろいろなところへアプローチを行っております。
本日はどうぞよろしくお願いします。
ーよろしくお願いします。アクセラがきっかけでご入社されたのですね!早速気になります!
では、まずJCLさんが行っている事業について教えていただけますか?
JCLは、自転車競技のひとつである”ロードレース”を通じて、世界に誇れる日本オリジナルの「スポーツ文化」を地域と共に創りあげ、心身の健康と人生の豊かさを多くの皆さんと共有することをめざして活動することをビジョンとして設立しました。
具体的には、自転車文化の創造をミッションに、裾野拡大の”ツーリズム”やアクセラで取り組ませていただいた”バーチャルレース”をメインに、競技として頂点を追及する競技育成を全国各地の地域と連携して行っております。
ー日本で自転車文化を豊かにすることに始まり、自転車競技の育成・裾野拡大とグローバルな可能性も感じました。それでは、提供されているバーチャルサイクリング体験アプリ「VRoad」ついて、教えてください。
VRoadは、スマホアプリのメタバース空間と家庭用フィットネスバイクをBluetoothで繋げ、4K360度カメラで撮影した全国各地のバーチャルコースをライドできるeスポーツアプリです。ただ映像を観ながら走行するのではなく、坂道であればペダルが重くなったりといった、負荷連動する本格的なサイクリングを自宅にいながら楽しむことができます。
ー実際にレースへの参加となるとハードルが高いように感じるのですが、バーチャルで本番環境さながらの体験ができると関心を高められそうです!世界に誇れる日本オリジナルのスポーツ文化を、自転車を通してつくろうとされているとのことですが、具体的にどのように自転車文化をつくっていかれるのでしょうか?
まず、子供からシニアまで、誰でもが楽しく本気になれるVRoadであるからこそ、アマチュアスポーツのような魅力を多くの人に届けることができ、ホビーとしての自転車の裾野を広げ、自転車文化の発展に繋げることができると思っています。プロスポーツは、他者と競争することでの「勝ち」が何よりも重要な目標になりますが、
プロスポーツとは異なり、結果だけではなく去年の自分より速くなることであったり、健康になることであったり、家族で応援しあったりと、それぞれ目標は違いますが様々な目的や楽しみ方を体現することがアマチュアスポーツの大きな魅力です。
そこに、子供からシニアまで誰でもが楽しめるという「 VRoad」の立ち位置があり、eスポーツというバーチャルの世界からリアルの自転車文化形成につなげていくことができるのではないかと考えております。
現在は、自治体や地元企業様などに協力いただきながら、体験イベントなどを全国各地で行い、 VRoadを通してサイクリングの楽しさを多くの人に伝え自転車文化を広める活動をしています。
ーなるほど、その最初の拠点に、静岡市を選ばれたわけですね!選ばれた理由はどういったことでしょうか?
静岡市は地方都市の中で、平坦な道が多く街中エリアは特に移動手段で自転車を使う人が多いことも特徴です。
しかし、高齢化率が高く、健康増進等の社会課題解決に自転車が活用される機運はあるのですが、あくまで自転車は”モビリティ”であって、”レジャー”としての認知は低い現状にあります。
その、”モビリティ”から”レジャー”への大きなハードルを越えるお手伝いを我々もできればなと考えており、 VRoadを通して、自転車を”レジャー”として楽しむ文化を根付かせたいと考えています。
最終的に、静岡市のみならず県全体で、誰もが一度は参加するような偉大なeSportsリーグの創造を目指しております。
ー文化の普及と同時に社会課題の解決にも繋がる可能性を感じました。スピード感を持って取り組む必要がありそうですね!スケールが大きく、イメージが難しいのですが、どのように実現されていくのでしょうか?
3ステップで考えておりまして、
静岡競輪場や商業施設での無料イベントを開催しニーズの検証
公営施設等での有料イベントを行い実証実験
熱狂的な新しいeSportsリーグの本格スタート
を考えております。
既に静岡市で1.ニーズの検証は実施済みです。静岡競輪場では、普段競輪場に来ないようなお子さん・女性150名に体験いただいたり、MARK IS静岡(商業施設)では三菱地所様ご支援のもと、300名に体験いただいたり、子どもから大人までみなさん笑顔で、本当に楽しんでいただき、大きな手ごたえをつかむことが出来ました。
また、5月11日に静岡市役所前の青葉イベント広場(葵スクエア)にて、弊社初となる主催イベント「第1回 静岡最速キッズ決定戦」を開催します。今までよりも設営や会場が豪華になっており、多くのご協賛企業様のご支援のもと、小学生を対象としたイベントになります。こちらのイベントがステップ2となり、今後eスポーツ大会を開催していくにあたってのプレイベントとして開催を予定しております。
今後は、県下最大のスタジアムであるエコパアリーナなどを埋めるイベントなど、どんどんとステップアップし、ゆくゆくは、静岡県民、全員が一度は参加するような偉大なeSportsリーグの創造を実現していきたいと考えています。
ーとても楽しみです!今後の展開も教えて下さい!
将来的には静岡県だけでなく、全国各地でVRoadを活用した、地域ごとに異なる魅力を生かしたeSportsリーグの開催が出来ればと思っています。
今回のアクセラを通じて静岡市さんや地元企業さんと密な連携をとらせていただいており課題も大きな可能性も感じていますので、まずは静岡市をはじめとした県全体での年間・月間単位でのリーグ戦など、様々な取り組みを通じて静岡の街をスタジアムとし、静岡モデルの確立と実績をしっかりと作っていきます!
ー街がスタジアムになるのですね、楽しみです!静岡市アクセラレーションプログラムについてもご質問させてください。応募したきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
VRoadを活用した地域創生事業を展開するため最適な地域を探していたところ、静岡市のアクセラレーションプログラムを紹介いただきました。
静岡市は自転車人口比率も比較的高く、平坦な地形のため自転車移動に適しているなど、私たちの事業に適した環境が整っていると考え、プログラムへの応募を決意しました。
ーたしかに、お話を伺っていても静岡市という土地はピッタリな気がしました!参加前はプログラムに対してどのような期待がありましたか?
主に3つの期待を持っており、
VRoadの有効性を検証するため、実際にイベントを開催し、ユーザーの反応を肌で感じたい
地元企業や自治体との連携強化
事業展開の円滑化の為、許認可取得などの課題をスムーズにクリアしたい
実際、静岡市役所など、多くの地元企業(静岡銀行・静岡新聞)や自治体と連携することができ、静岡競輪場やMARK IS静岡などで多くの方にVRoadを体験していただき、イベントを通してVRoadの可能性を確信することができましたし、スピード感もって、事業の幅を大きく広げることができました。5月11日(土)に実施する弊社初の主催イベント「第1回静岡最速キッズ決定戦」では、フジ物産株式会社様・静岡けいりん様がスポンサー企業としてご協力をいただきました。また、本イベントの告知にて静岡新聞様ご協力のもと新聞掲載、静岡市様・ご協力のもと静岡市内での告知・メディア掲載のご協力をいただいております。
ー素晴らしいですね!その他にもプログラムの参加前後で変化はありましたか?
新会社の設立が決まったことですかね!静岡市にて私が代表を務めさせていただくVRoad事業単体の新会社の設立を決定いたしました。現在はそれに向けての準備を進めております。
この決定は、プログラムを通して地元企業様や自治体、メンターなど、様々な関係者と深い関係を築くことができたということが大きな理由です。実は既に3つの施設からイベント開催のご相談もいただいており、この関係は今後の事業展開においても大きな力になると確信しています。
ースタートアップだからこそ、地元企業や自治体などと協力して進めていくことが必要ですよね。
自転車を通して見る地元や観光地は、普段では見過ごしてしまう魅力の再発見がありそうで、VRoadを活用した様々な可能性を感じました!今回のインタビューはここまでとなります。ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?自転車を通して地域を活性化し、人々の生活を豊かにするJCLの取り組みは、大変興味深かったです。深井さんの覚悟とVRoadの可能性を信じる気持ちが伝わってくるインタビューでした。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
[会社概要]
【会社名】
株式会社JCL
【URL】https://www.jcleague.jp/
【設立年月】令和2年8月7日
【代表者】犬伏真広
【所在地】東京都千代田区内神田1-12-5 Nest-Lab北大手町4階
(執筆:桑木野)