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[序章] 東南アジアスタートアップの大躍進

今最も多くのスタートアップが大躍進を遂げている東南アジア。
これからその東南アジアにおける主要3グループ4社の経営のダイナミズムを、3つの章にわたって紹介していきたいと思います!

その3グループの紹介に入る前に、今回は東南アジアにおけるスタートアップの現状について軽く触れていきます。

なお、この記事はこちらの「東南アジア スタートアップ大躍進の秘密」を参考にしています。
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/22/04/25/00116/

資金調達額

2021年、東南アジアでは904の企業が誕生し、そのうち資金調達を行なった企業は618にも上ります。企業の勢いの強さを見る指標のひとつとして、資金調達額が挙げられるでしょう。

勢いのある企業が多い市場に投資家が集まることは言うまでもありません。ディールストリートアジアの調査によると、東南アジアのスタートアップが2021年に調達した金額は257億ドル(約2兆9,600億円)に達しました。2020年の調達額は94億ドル(約1兆962億円)だったため、2021年は約2.7倍の投資家の資金が流入した事になります。

日本のスタートアップの2021年の資金調達額は7,801億円(前年比46%増) であることを考慮すると、いかに東南アジア市場が過熱しているかがわかりますね。

ちなみに、全米ベンチャーキャピタル協会などの調査では、2021年の米国における資金調達額は3,296億ドル(約37兆9,000億円)と、さすが米国といった規模感です。

2021年に入り、中国ではスタートアップを含めたIT企業などへの統制を強め、投資家は今まで以上に中国企業への出資に対して慎重な姿勢をとっています。その燻っているマネーが今後東南アジアに振り向けられるようになるということです。

実際に、マイクロソフトは2020年11月、インドネシアのネット通販大手のブカラパックに対し、総額1億ドル(約115億円)の資金調達の投資家として参加するだけでなく、クラウドサービスの提供、従業員や取引先企業のデジタル技術の習得支援をするなど、戦略提携をも交わしています。

日本企業の巨額投資

東南アジアとは地理的に近いと言える日本。実は日本企業と東南アジアのスタートアップはとても深いが関係があります。

例えば、孫正義が率いるソフトバンクグループ(SBG)は2014年からシンガポールの配車大手グラブに対して投資をしており、2021年4月時点での出資比率は21.7%に達しています。

そしてトヨタ自動車が2018年に10億ドル(約1,150億円)三菱UFJ銀行が2020年に7億600万ドル(約870億円)を出資するなど、日本企業は続々とグラブに出資を行ってきました。

日本企業が、グラブのような東南アジアのスタートアップに出資するのにはキャピタルゲインを得るためだけではありません。

例えば、トヨタ自動車であれグラブの配車事業との連携、三菱UFJ銀行であれば金融業務での連携というように、本業との相乗効果を狙う事業シナジーを目的とした投資意味合いの方が大きいと言えます。

また、東南アジアにとってはすでに確立された高い技術力やノウハウを持った日本企業は良きパートナーとなります。そして日本企業としても、東南アジアの成長企業のイノベーションを自社の成長につなげることができるので、お互いにwinwinの関係ということがわかります。

東南アジアの計り知れない可能性

突然ですが「ユニコーン企業」をご存知でしょうか。
ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル以上(1ドル115円換算で1,150億円)、設立10年以内の非上場のベンチャー企業を指します。

東南アジアにおけるユニコーンは2021年時点で累計27社
そのうち18社が2021年の1年以内に誕生しています。

ちなみに、近い将来ユニコーンになる可能性がある企業を「スーニコーン企業」といい、今までに累計110社、そのうち53社が2021年に誕生しています。

ASEANは加盟10カ国合計、人口は約6億6,000万人と日本を大きく上回ってはいるものの、加盟国全体のGDPは2020年に合計でも約3兆ドル(約350兆円)と日本の6割程度にとどまっています。1人あたりのGDPも4,500ドル(約52万円)と、日本の2割も満たしていません。

しかしASEANは中国とインドの中間に位置し、両国からのモノやヒトの中間点となり得ます。さらにASEANは、インドネシアやベトナム、フィリピンなどの高い経済ポテンシャルを持つ国の集まりであるため、2030年代には世界第4位の経済圏に浮上することが見込まれています。

その担い手の中心こそが、スタートアップなのです。

次回以降では、東南アジアのスタートアップの中でも代表格とも言える、シンガポールの配車大手グラブ、ネット販売を手掛けるシー、配車大手のゴジェックと通販大手のトコぺディアが統合したGoToの3グループの大躍進の軌跡を追っていきます!

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